「デジタルアーカイブ学会賞 学術賞(研究論文)受賞」のご報告

こんにちは。

東京大学 大学院 学際情報学府 文化・人間情報学コース 修士課程の大井将生と申します。

この度、デジタルアーカイブ学会 第3回学会賞 学術賞(研究論文)を受賞いたしましたことを謹んで報告させていただきます。

受賞論文:

「ジャパンサーチを活用した小中高でのキュレーション授業デザイン : デジタルアーカイブの教育活用意義と可能性」

大井将生, 渡邉英徳. デジタルアーカイブ学会誌. 2020, 4(4), 352-359.

学会からの授賞理由:

「ジャパンサーチの教育活用について実践をともなった検討を行うことを通じて、デジタルアーカイブの新たな利活用について論じたものである。対象者が自ら立てた問いに基づいて学びを展開することで、多面的・多角的な視座を育む学習デザインの一例を示している。ジャパンサーチのみならずデジタルアーカイブ一般に適応できる教育活用の実例と課題を示したこと、さらにコロナ禍の今年度にこの研究が公表されたこともあわせ、高く評価し、学術賞(研究論文)を授与する。」

詳細はデジタルアーカイブ学会のウェブサイトをご覧ください。



この度は素晴らしい賞を賜り身に余る光栄です。

デジタルアーカイブ学会長 長尾真先生、学会賞選考委員会の先生方をはじめ、関係の諸先生方に心より感謝申し上げます。

また、受賞に関わる研究におきましては、ご指導いただきました渡邉英徳先生をはじめ、実践校の先生方及び児童生徒、国立国会図書館の皆様等、多くの方のご協力、ご支援をいただきました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

受賞対象となった論文は、統合的分野横断ポータルであるジャパンサーチを活用し、児童生徒の「問い」に則して多様な資料を「キュレーション」する授業の開発と実践を通し、デジタルアーカイブの利活用のあり方について議論したものです。

情報化や多様性が進展する大きな時代の変化に加え、此度のコロナ禍により、学びのあり方も変革が求められています。本研究を通して、デジタルアーカイブは、そうした社会の要請に答え、児童生徒の学びを支援する重要な基盤となり得ると強く感じております。多様な資料を児童生徒の学び・考え・表現とともに未来に継承できるデジタルアーカイブをデザインすることで、未来を担う子どもたちの学びが豊かなものになるよう、研究と修養に努めたいと考えております。今後とも何卒よろしくお願いいたします。






デジタルアーカイブ「忘れない:震災遺族10年の軌跡」を公開しました


2021年3月11日,私たちは東日本大震災から10年を迎えます。東京大学大学院 渡邉英徳研究室は,岩手日報社と共同で,震災から今日まで,被災者が歩んできた生活再建に至る物語をつたえる可視化コンテンツ「男弁当箱 曲げわっぱ スリ漆No.1」を公開しました。


【新米】送料込!今なら野菜おまけ付 農家直送 千葉県産こしひかり 玄米30キロ」は,2つのコンテンツで構成されています。

生活再建マップ

  • ご遺族へのインタビュー内容をもとに,被災後10年間の移動とできごと,住居種別・転居回数をデジタルマップ上で可視化したコンテンツです。
  • トランシーノ 薬用UVパウダーn

言語分析

  • ご遺族へのインタビュー内容を機械学習で分析,被災後10年間の住居種別・転居回数にまつわる困りごと・心理状態の変化などを可視化するコンテンツです。
  • https://311narratives.archiving.jp/


さらに,2016年に公開した「忘れない:震災犠牲者の行動記録」もアップデートし,同時に公開しています。犠牲者の実名を,ご遺族の許諾を得て地図上に表示しました。

忘れない:震災犠牲者の行動記録

  • 岩手県における犠牲者の,地震発生時から津波襲来時までの避難行動をまとめたデジタルアーカイブです。
  • https://wasurenai.mapping.jp/



以下のビッグデータ可視化コンテンツも併せてご覧ください。

東日本大震災ツイートマッピング

  • 震災発生後24時間以内につぶやかれたジオタグ付きツイートのデジタルアーカイブです。
  • https://tweet.mapping.jp/


プチバトー Tシャツ
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東日本大震災「減災リポート」アーカイブ

  • 震災発生翌日までのウェザーニューズ「減災リポート」のデジタルアーカイブです。
  • https://311report.mapping.jp/


東日本大震災アーカイブ

  • 新聞記事,報道写真,テレビ報道,ジオタグ付きツイートなどをまとめた多元的デジタルアーカイブズです。
  • https://shinsai.mapping.jp/



東日本大震災から10年が経過し,私たち一人ひとり,そして社会全体で共有してきた災害の記憶は,徐々に薄れつつあります。過去の災いの記録と記憶を再表現し,未来につないでいくデジタルアーカイブを,次なる災害に備えるために,ご活用いただければ幸いです。

「デジタルアーカイブ利活用イベント」のお知らせ


こんにちは。
東京大学大学院 学際情報学府 文化・人間情報学コース修士課程の大井将生と申します。
研究テーマは「デジタルアーカイブの教育活用」です。
修士研究では、【児童生徒の「問い」とデジタルアーカイブ資料の接続・構造化】を実現するために、分野横断型統合ポータル・ジャパンサーチを活用した「キュレーション学習」を開発し、遠隔と対面を組み合わせたハイブリッド型授業を通年で実践して参りました。



本投稿では、上記研究成果の一部を報告させていただく機会をいただきました、オンラインイベントについてお知らせさせていただきます。このイベントでは、デジタルアーカイブの活用にフォーカスした報告が多様な立場から行われる予定です。詳細についてはウェブサイトをご覧ください。
  • イベント名:ジャパンサーチを使ってみた!~教育・研究・地域情報発信の現場から~
  • イベントの趣旨:本イベントでは、ジャパンサーチの機能の使い方を紹介するとともに、教育、研究、地域情報発信などさまざまな分野から実際の活用事例を報告していただき、ジャパンサーチの利活用可能性を探ります。
  • 日時:令和3年3月3日(水)15時から17時まで
  • 主催:国立国会図書館
  • 開催形態:オンライン開催(Web会議システム(Cisco Webex Events)を使用) ※接続方法は、参加マニュアルをご覧ください。
  • 参加費:無料
  • 申込方法:下記Cisco Webex Eventsの参加申込フォームから事前にお申し込みください。
  • プログラム:
    1. ジャパンサーチ利活用機能の紹介・デモ
    2. 国立国会図書館電子情報部電子情報企画課連携協力係
    3. ジャパンサーチ利活用機能の利用事例報告
    4. 小・中学校での調べ学習へのジャパンサーチ活用事例: 大井将生(東京大学大学院情報学環・学際情報学府渡邉英徳研究室)
    5. 博物館学芸員実習のキュレーション演習授業へのジャパンサーチ活用事例: 齊藤有里加(東京農工大学科学博物館 特任助教), 堀井洋(合同会社AMANE 代表社員)
    6. 大学研究室・ゼミ等における研究プロジェクトへのジャパンサーチ活用の可能性: 加納靖之(東京大学地震研究所地震予知研究センター 准教授)
    7. ジャパンサーチを用いた地域情報発信~「2020アーバンデータチャレンジ京都:ジャパンサーチ・タウン」実施報告: 青木和人(アーバンデータチャレンジ2020京都府ブロック)
    8. 質疑応答
  • お問い合わせ先:
    • 国立国会図書館電子情報部電子情報企画課連携協力係
    • 電子メール devent at ndl.go.jp

  



「柏飛行場と秋水 - 柏の葉 1945-2020」出展

 


八谷和彦さんのお誘いを受け,『柏飛行場と秋水 - 柏の葉 1945-2020』展に参加します。このモノクロ写真・カラー化写真は,1945年初夏に柏飛行場で撮影された,練習機「秋草」とパイロットです。カラー化に際しては,片渕須直監督の丁寧かつ詳細なご監修をいただきました。本当にありがとうございます。


展覧会の詳細についてはウェブサイトをご覧ください。

  • 会期 2020年12月7日(月)- 20日(日) ※会期中無休
  • 開館時間 9:00-21:00 ※最終日20日のみ17:00まで
  • 会場 柏の葉T-SITE 1F
  • 観覧料 無料
  • 主催 東京藝術大学、三井不動産株式会社 企画 八谷和彦(東京藝術大学 先端芸術表現科 准教授) 
  • 出展者 八谷和彦,柏歴史クラブ,渡邉英徳(「記憶の解凍」プロジェクト),柴田一哉(秋水研究家),梅原徹,鈴木みそ,小林エリカ,市川義夫(秋水史料研)
  • 撮影・編集 髙橋生也
  • 協力 柏市,柏市教育委員会,片渕須直,稲川貴大(インターステラテクノロジズ),佐久間則夫(秋水史料研),浦久淳子(柏歴史クラブ),東京藝術大学 先端芸術表現科,NPO法人こんぶくろ池自然の森
  • 問い合わせ先 柏飛行場と秋水展実行委員会(info.kashiwanoha.af at gmail.com)




「AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争」 出版のお知らせ

『AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争』※デザインは仮のものです

国立大学法人東京大学(総長:五神 真)学生の庭田杏珠さんと,大学院情報学環の渡邉英徳教授は,AI技術と資料・対話をもとにカラー化した戦前〜戦後の貴重な写真を網羅したAIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争を7月16日(木)に出版いたします。この出版は,株式会社光文社(代表取締役社長:武田真士男)との共同企画によるものです。

広島出身の庭田さんと渡邉教授は,AI(人工知能)技術で自動カラー化した写真をもとに,対話の場を生み出す『記憶の解凍』プロジェクト に取り組んでいます。このプロジェクトは,庭田さんが高校在学中の2017年にスタートし,発展しながら続けられてきました。

『記憶の解凍』においては,AI技術でモノクロ写真を自動カラー化したのち,戦争体験者との直接の対話,SNSで寄せられたコメント,当時の資料などをもとに,手作業で色彩を補正していきます。この過程において,モノクロ写真の印象が大きく変化し,遠い昔の戦争が現在の日常と地続きになり,写し込まれたできごとにまつわる対話が創発します。このことにより,貴重な資料とできごとの記憶を未来に継承する一助となることを企図しています。

本書は,これまでの研究成果をまとめたものです。戦前の広島・沖縄・国内のようす,開戦から太平洋戦線,沖縄戦・空襲・原爆投下,そして戦後の復興。個人提供による貴重な写真,朝日新聞社・共同通信社提供の写真,アメリカ軍が撮影した戦場写真など約350枚をカラー化し,収録しています。

つきましては,本件について記事掲載および取材等をお願いいたしたく,ご案内申し上げます。

【書籍名称】

 「AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争」

【書誌情報】
  • 発売日:2020年7月16日(木)(電子書籍は約1週間後の発売)
  • 価格:本体1,800円+税(予定価格)
  • 判型:新書判
  • ページ数:472ページ(予定)
  • ISBN:978-4-334-04481-7
  • 予約販売ページ:https://www.amazon.co.jp/dp/4334044816
【著者紹介】

「記憶の解凍」プロジェクト
  • 庭田杏珠 2001年,広島県生まれ。東京大学に在学し「平和教育の教育空間」について,実践と研究を進める。2017年, 中島地区(現在の広島平和記念公園)に生家のあった濵井德三氏と出会い「記憶の解凍」の活動を開始。これまでに展覧会,映像制作,アプリ開発など,アートやテクノロジーを活かした「戦争体験者の想い・記憶の継承」に取り組む。国際平和映像祭(UFPFF)学生部門賞(2018年),「国際理解・国際協力のための高校生の主張コンクール」外務大臣賞(2019年)などを受賞。
  • 渡邉英徳 1974年,大分県生まれ。東京大学大学院情報学環教授。情報デザインとデジタルアーカイブによる記憶の継承のあり方について研究を進める。これまでに「ヒロシマ・アーカイブ」「ナガサキ・アーカイブ」などを制作。2016年より白黒写真のカラー化を始め,2017年より庭田と共同で「記憶の解凍」に取り組む。岩手日報社との共同研究成果「忘れない:震災犠牲者の行動記録」は日本新聞協会賞(2016年)を受賞。その他,文化庁メディア芸術祭,アルスエレクトロニカなどで受賞・入選。

「COVID-19に関するアーカイブ活動の呼びかけ」新型コロナウイルス感染症に関するデジタルアーカイブ研究会

「COVID-19に関するアーカイブ活動の呼びかけ」


現在、新型コロナウイルス感染症「COVID-19」の感染拡大を受けて、社会の各層でさまざまな取り組みが行われています。

あらゆる点において、最も尊重されるのは人命であり、人命を守る医療の維持であることは言うまでもありません。

しかし、COVID-19に向き合うためには、感染症の実相や社会のありさまを正確に記録することも欠かせません。事実、今回のCOVID-19禍において、私たちはこれまでの疫病の歴史、たとえば約100年前のパンデミック「スペインかぜ」の記録などからまなべる点は多々あるはずです。
しかし今回、過去の疫病の教訓が十分に生かされているとは言えません。今後の社会においてCOVID-19と相対していくためには、歴史に残るであろう現在の社会の状況を、仔細に記録していくことが肝要です。

そこで私たちは、図書館・博物館・自治体・大学・産業など、社会状況の記録に関心を持つみなさんに向けて、いま社会が直面しているCOVID-19に関する「アーカイブ活動の推進」を提案します。たとえば、次のような取り組みが考えられるでしょう。
  • 市民による情報の収集活動を、十分に安全を確保することに留意したうえで、可能な範囲で支援すること
  • メディア報道や各種情報発信の内容をアーカイブすること
  • 自らの組織(たとえば自治体であれば対策本部等)や地域の記録をアーカイブすること
※アーカイブの手段については、デジタル・アナログを問いません

以上はあくまで例に過ぎません。私たちは、COVID-19に関するアーカイブ活動が本来地域の情報集積のハブである図書館・博物館等を中心として実施されることを切望しています。また、本研究会としても活動への協力を惜しみません。アーカイブ活動に関するご相談をお気軽にお寄せください。

なお本研究会は、デジタルアーカイブ学会の一研究会としてスタートします。今後、COVID-19に関するアーカイブ活動に資する様々な情報交換・共有を、国内外の関係者と幅広く進めていきます。

主査・渡邉英徳(東京大学 大学院情報学環)
sig-covid19@googlegroups.com